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  • RINGBELL PROJECTとは?

    RINGBELL PROJECTとは?

    初めまして、わのすけです。

    年が明け、2025年となりました。
    明けましておめでとうございます。
    今年も皆様にとってより良い年でありますようお祈り申し上げます。

    私わのすけも今年でタイ生活4年目が始まりました。


    大学時代にスラム街出身の子どもたちが集まる児童養護施設でボランティアをしたことがきっかけでタイに興味を持ち、その後紆余曲折を経て現在はweb系エンジニアの仕事をしながらバンコク市内で生活しています。
    来た時は30歳になりたてぐらいだったのですが、気づけばもうすぐ35歳が近づいてきました。。

    長引く円安のせいか私がタイに来た時と比べても現地で日本人を見る機会が減ったなという実感が年々増していき、複雑な気持ちを抱えながらもなんとか日々を過ごしているわけですが、今年もできる限り頑張って生きていこう・・と思いながら25年の年明けを迎えた次第です。
    0時になった瞬間に至る所で花火が打ち上がり、そこら中から歓声が聞こえてくるなど大変賑やかな様子でした。


    さて、そんな2025年の幕開けとともに、私はこの度新たな挑戦として「RINGBELL PROJECT」という個人プロジェクトをスタートすることにしました。
    本ポストは「RINGBELL PROJECT」の初ポストになるため、このプロジェクトが何を成し遂げようとするものであるのかを書いていきたいと思います。

    少し長くなると思いますが、よかったら読んでみてください。


    RINGBELL PROJECTとは?

    IoTなどのテクノロジーを通して貧困層生活におけるQOL向上に取り組んでみようというプロジェクトです。

    大学時代の経験から国際協力に興味があり、NPO団体でインターンをしたり、自分で孤児院支援のNGO団体を作ってみたりと色々な事に取り組んできましたが、より自分自身に持続性を持たせつつ効果的に支援ができる方法はなんだろう?と考えた結果、エンジニア出身である自分の強みを活かし、テクノロジー分野からの支援を展開できないだろうか?と思い立つに至りました。

    ご存知の通り昨今はインターネットの発展やスマートフォンデバイスの普及、AIの登場等しており、これまで不可能と思われてきた多くのことが可能になりました。
    知りたい情報はすぐ検索できたり、何かを勉強しようと思ったらそれに関する動画教材が無料で利用できたり、仕事の一部をAIに任せて効率化させたりとテクノロジーが可能にしてきたことは多岐に渡るわけです。

    今でこそ私たちは当たり前のように身の回りのテクノロジーに触れ、無意識のうちに活用していますが、一方で世界にはそんなテクノロジーの発展に十分アクセスできない人たちがいます。

    そんな人たちの一例がスラム街で生活をしている人たちです。
    もちろん最近は安価なスマートフォン、タブレットも登場しているため、少し前の時代に比べれば比較的容易に利用できるシーンも多いと思われます。
    ただ、それでも経済的な事由から、最もその恩恵を必要としている状況でありながら十分に恩恵を受けられていないという状況があります。

    もし彼らがもっとテクノロジーに触れる機会が得られたら。
    一気に根本から現状を覆すことはできないかもしれませんが、1つの出来事が可能になればそこから新たな可能性が生まれ、それがまた次に繋がっていき、また新たな可能性を・・といった好ループが期待できるかもしれません。

    どんな方法で支援するの?

    テクノロジーというところでいま私が考えているのはIoT、とりわけラズベリーパイ(以降ラズパイと呼びます)というシングルボードコンピュータを利用した支援方法です。

    このラズパイについてはまた後ほど私の方でもまとめようと思いますが、簡単にいうと安価でかつ手軽にIoT機器を制作することができます。

    IoTというのはInternet Of Thingsの略で、身の回りのものをインターネットに接続し、インターネット経由でものに命令を出したり、ものから何かしらのデータを受け取れたりするように技術のことです。
    わかりやすいものでいえば家の電灯をスマホでON/OFF切り替えられるものがあります。
    あれはあらかじめなんらかの方法で電灯をインターネットに繋いでおき、スマホ上で電源をOFFにしてくれという命令を出すと、それがインターネット経由で電気に届きOFFになるというフローになっています。
    (実際は直接電灯をインターネットに繋ぐ以外の方法もあるのですが、ここでは割愛します。)

    ラズパイも同じような感じで、それ自体が小さなコンピューターであるため、最初からインターネットに接続できるようになっています。
    その特性故、アイディアと工夫次第では様々なことが可能になります。

    例えば赤外線センサーをラズパイに繋いでおき、ラズパイの中に「赤外線センサーの結果に応じてAさんのLINEに通知を送る」というソースコードを書いて置いておきます。
    その状態で赤外線センサーをつけたラズパイをドアの開閉部分に取り付ければ、センサーが検知しない時はドアが閉まっているので何も通知しない、検知した時はセンサーの前に障害物がある(=ドアが開いている)のでLINEに通知する、といったような防犯センサーの出来上がりです。

    上記工程は一見難しそうに聞こえますが、やってみると本当に簡単にできてしまいます。もともと教育用コンピューターだった背景もあり、出来る範囲の広さに対する手軽さは大きな魅力と言えます。

    加えてかなり安価である点も大きいです。スペックやモデルによって値段にばらつきはあるものの、安いものであれば25年1月現在では1000円弱で手に入るようです。
    ここにセンサー等のパーツ代が別途かかりますが、結構な割合でパーツ自体も安いことが多いイメージです。

    挙げたのはほんの一例ですが、こういったものであれば複雑な地理的条件が絡み合うスラム街のようなところでも威力を発揮できる可能性が高いと思いました。

    また今であればAIとの通信も可能だと思います。
    例えばマイクをラズパイにつなぎ、AIと会話することができれば
    24時間勉強に付き合ってくれる語学先生キットをPCやスマホ、タブレットを準備するよりも遥かに安価にスラム街へ展開することも可能かもしれません。

    具体的に誰を支援していくの?

    私がタイに来てから知り合った知人の中に、タイ・パトゥムターニー県にあるキリスト教系の法人が展開している支援活動に定期的に参加している人がいます。

    ある日その人に誘われて活動を見学したところ、目にしたのは隣国のカンボジア、ラオス、ミャンマーなどから経済的な理由で出稼ぎに来た人たちが形成するコミュニティでした。

    タイ国内の大手生産業会社が現地で安価に雇用契約を結び、タイに連れてきた労働者とその家族たちであったり、ちゃんと就労ビザも取得してタイに来たのに事前の話と違った給与体系で働かされていたりする人たちなど背景や状況は様々なのですが、共通して言えることは貧しい状況の中で生活をしているということです。
    (中には5-6畳程度のバラック小屋のようなところで4人家族で暮らしているような家庭もありました。)

    当然そのような状況では大人も子どももそれぞれ問題を抱えながら生活をしているため、テクノロジーが貢献できる余地は大いにあると考え、当面はこのコミュニティに対し現地団体と協力しながらプロジェクトを展開しようと考えています。

    現在の状況は?

    とまあ色々と書いたものの、25年1月時点では始まったばかりのプロジェクトになるので、実績は今の所まだ0です。

    本当は実際にラズパイを展開してFBがある程度集まってきた段階でこのような話をオープンにしてもよかったのかもしれませんが、
    そういった初期段階も含めてプロジェクトとして進行する過程を残すのもいいのかもなーと思い早めに公開することにしました。

    というのも、とりあえず私がざっと調べた限りでは少なくとも日本語で「スラム街に乗り込んでいってIoTデバイスを展開してみた」なんて話を見かけたことがなく、もしかすると今まで事例ってないんじゃないかな?と思っています。(見つけていませんが海外の強いエンジニアたちは実践済みかもしれません)

    IoTがここまで身近になった時点から考えればまだ日が浅い面もあるのかわかりませんが、もし今後同じようなことをやってみたいという人が現れた時には参考にしていただけるように(なるかわかりませんが)、技術以外の泥臭い部分もお伝えしていければいいなと思います。

    また、最初に自分がエンジニア出身であると書きましたが
    エンジニアの中でもweb系エンジニアとなるため、実はラズパイのような分野は専門外だったりします。エンジニアとしても、いわゆるつよつよエンジニアではまるでなく、どちらかというと意識低めのエンジニアに属する人間だと思っています。

    故にかなり苦戦する場面が多々あると予想されるので、もし本プロジェクトを見て何か協力できそうなことがあるぞ!と思った方はぜひご連絡ください。助けてください。(泣

    最後に

    これまで述べてきたように、要は国際協力をITを通してやってみようぜという話なのですが、
    正直なところ、この方法というのは本質的な問題解決方法ではないかもしれません。

    おそらく現状の登場人物たちにおける本質的な問題解決策とは(経済難民という点もあり)すごーく雑に言ってしまえば彼らに十分なお金が行き渡れば済む話なのかもと思うこともあります。

    シンプルにお金を受け取る以外にも、例えば他団体が取り組んでいるようなソーシャルビジネスモデルを構築し、持続可能な支援を展開する方法も今だったらあると思います。

    そういった本質的な問題解決策を取らずして良いのかと悩むこともあったのですが、現実問題として現状の自分自身にそのレベルのコミットができるのかと言われればYESとは言えない気がしています。

    冒頭に自分自身に持続性を持たせると書いたのも少しその点が関係していて、
    学生時代から自分がどんな支援が出来るのかトライアンドエラーを繰り返した結果、「出来ることは人によって違う」「自分で自分に蓋をしてしまうのは良くないが、一方で向き不向きというものがあるのもまた事実」ということに気づきました。
    (これについては結構長い間ずーーっと悩んでいたことだったので、また別ポストでまとめてみたいと思います。)

    他ならぬ自分自身に実力や余裕がないと人に優しく出来ないのと同じで、いまの自分の状況・マインド・スキルセット等照らし合わせていくと、まずはこのプロジェクトを始めて色々な壁にぶつかっていくのが最適だろうなという結論に達したというのもまた公開に至った理由の1つです。

    (もちろんここでは自分という観点で色々書いていますが、あくまで主体は支援される側にあるということを付け加えておきます。)

    とにかくここはタイなので。4年目に突入した今でも、
    何か新しいことをはじめるとすぐに割と高めの壁にぶつかることが多々ありますが、とりあえず今年1年は後悔を残さないよう
    迷ったらやれ精神で思いっきり苦しんでみたいと思います。

    一応初めてのポストなので色々大枠について書きましたが、まだまだ情報量が足りていないはずなので随時追加していきます。

    今後ともよろしくお願いいたします。